月影は花か実と況ん(や)。

TVアニメ「博多豚骨ラーメンズ」の情報を収集・整理・発信する非公式ブログ。野望は【目指せ・2期!】

【紹介文】※TVアニメ「博多豚骨ラーメンズ」は日常系グルメアニメではございません。

TVアニメ「博多豚骨ラーメンズ」(愛称:はかとん)とは、いったいどんな作品なのか。

まずはブログ主による徹頭徹尾、個人的主観の紹介文をご覧ください。

 

長文で恐縮ですが「日常系グルメアニメではない、絶対に」ということを念頭に置いておけば、きっと大丈夫です。

 

 

 

あらすじ

 

  平和な観光都市・福岡市博多区は陰では犯罪とマフィアの抗争がはびこり、「人口の3%は殺し屋」「殺し屋専門の殺し屋がいる」との都市伝説がささやかれるほど、裏稼業の激戦区となっていた。

 野球と地元・博多を愛する私立探偵・馬場(ばんば)の事務所に、女装姿の青年・林(リン)が現れる。マフィアの雇われ殺し屋である彼は、馬場殺害の命令を受けたのだと言う。

 折しも馬場は、懇意にしている刑事・重松(しげまつ)より依頼された「先輩刑事の不審死」を探るべく、マフィアと癒着する福岡市長の悪事を追っていた。

 一触即発かと思いきや、林自身に攻撃の意志はないどころか、「お前を守ってやろうと思ってさ」とまで言い出す。彼は故郷の家族を養うため、異国・博多で暗殺業に励んでいたが、借金完済を目前に雇用主と揉め、意趣返しに出たのだ。

 その一方で、他の裏稼業の男たちも動き出していた。

 殺人請負会社の新入社員・斉藤(さいとう)は、気弱で常識的な性格ゆえに初仕事を失敗。次に仕損じれば自身の命がない状態で、福岡へと左遷されてきた。

 復讐屋・ジローは、理不尽な暴力行為を受けた依頼主からの復讐代行を引き受け、小学生助手・ミサキ、助っ人拷問師のマルティネスらと共に、ターゲットに近づいていた。

 福岡市長お抱えの殺し屋・宗方(むなかた)らのチームは、市長選前の重要な時期にもかかわらず、令息の犯罪行為とその尻ぬぐいに手を焼いていた。

 天才ハッカーの情報屋・榎田(えのきだ)、凄腕スリ師のホスト・大和(やまと)らも加わり、アウトローたちの暗躍は激化し、次第に重なり合っていく…。(1話)

 

ざっくり言うと「博多アウトローの日常系アニメ」といったところでしょうか。

現時点では、悪党たち(10人以上!)の顔見せといった風情で、本格的に話が始動するのは2話から。3話ですべての人間関係が繋がり、4話で最高のカタルシスを迎えます。

その後も尻上がりに面白くなっていきますから、「人数多すぎ!場面切り替わりすぎ!」と混乱するお気持ちもわかかりますが、1話切りするなんて、もったいない!思い切って1~4話までの一気見をおすすめします。

 

キャラクター文芸(一般向けライトノベル)が原作です

 原作は第20回電撃小説大賞大賞受賞作がシリーズ化されたもので、メディアワークス文庫より本編8巻+短編集1巻まで刊行中。 博多の裏社会を舞台に、一つの事件を複数の視点で見せていくザッピング形式のアウトロー群像劇です。

「裏社会の怖い話・・・?」と正常に引いた方、ご安心ください。確かに主要キャラはほぼ全員犯罪者ですし、頻繁に血しぶきが飛ぶし、人の命の価値が大変軽い世界です。(しかも実在の土地が舞台。)でも、これはライトノベル。「博多豚骨ラーメンズ」というふざけたタイトル通り、軽妙で荒唐無稽なフィクションです。

ナイフ・爆弾を扱う殺し屋がいるのは想定の範囲内ですが、日本刀に手裏剣などの業物まで出てくると、ん?とならざるを得ません。殺し屋の大半は色物とお考え下さい。

おまけに殺人と同等かそれ以上に重要な要素として「野球」が登場します。アレです、九人で白球を追いかけるチームプレイのやつです。事情が複雑なので割愛しますが、一見殺伐とした話の中には、常にコミカルでポジティブな空気が漂っているのです。

メインキャラクターも一癖も二癖もあるやつばかり。おっとりした博多弁の探偵・馬場は、頭が切れるうえに人たらしで、幅広い人脈を持つ謎の人物。ナイフを得意とする殺し屋・林は、見た目は美少女でも中身は男そのもので、少々うっかり者。他にもハッカー、復讐屋、拷問師、殺し屋コンサルタントなど多彩な職業が登場しますが、快楽殺人鬼、サディストといった性癖持ちはいません。依頼主の意向を最大限尊重し、淡々と依頼をこなす姿勢は、まさしくプロの犯行。

そして彼らは皆、自分が「将来ろくな死に方をしないであろう犯罪者」であることを自覚しています。その上で、来るべき日まで、ぬるく楽しく生きている、実に清々しくも人間くさい連中なのです。敵方の殺し屋さえも、複雑な立場で人間らしく葛藤するなど、彼らが交錯する人間ドラマはカジュアルながらも、悲喜劇に満ちています。

凄腕のプロフェッショナルが集うアウトロー群像劇というと、かの名作時代劇「必殺仕事人」を思い出しますが、現代版のそれと言っても過言ではありません。「悪党が悪党を裁いてぶちのめす!」というある種の勧善懲悪的カタルシスと、その中に一筋光る人情が約束された物語。

また、「復讐劇」「ハッカーとの電子戦」「麻薬抗争」など、各巻ごとに異なった趣向の事件を扱っており、エピソードごとに全く違った印象を受けるのも面白い。毎回ド派手なアクション、はったりと伏線の回収が巧みで、読了後にもう一度読み返したくなります。

アニメでは原作1巻(アニメ1~4話)、2巻(5~6話)、3巻(9~12話)、4巻(7~8話)を再構成し、映像化しています。数話ごとに雰囲気ががらりと変わるので、飽きさせません。あ、もちろん野球も欠かさずしていますぞ。

 

 

折角なのでPVを観よう

PV:第1弾(主要キャラ紹介+劇判メインテーマ「博多豚骨ラーメンズ」)

 

PV:第2弾(1話を中心とした本編映像+メインテーマ+OP「ストレイ」+ED「DIRTY BULLET」)

 PVで雰囲気は掴んでいただけましたでしょうか。

ちなみに、馬場→白ニットの優男、林→金髪ミニスカ美少女(だが男だ!)、斉藤→リクルートスーツとなっています。

劇判(BGM)が腰砕けになるほどかっこいいですよね!アクティブレイド」も担当された中川幸太郎 (@quarter_law) | Twitterさんの手による楽曲です。メインテーマ「博多豚骨ラーメンズは戦闘シーンにも、コミカルシーンにも使える汎用性の高い超名曲。BGMの軽快さと危険な香りそのままに駆け抜ける、非常にテンポのよいアニメとなっています。

PV第一弾は筥崎宮の鳥居上で戦う、林と「サブマリン忍者(公式名称)」の姿が。くるくると良く動く二人の動きが見事ですが、本編の戦闘シーンはこれ以上によく動きます!

PV第二弾は1話の登場人物と名シーン総まくり。美しい作画は最後まで崩れないどころか、クール後半に行くにつれ精彩に富んでいきます。

 

 

「はかとん」アニメのここがすごい

ここからは、アニメ全体のおすすめポイントをざっくりと、それでいてねちっこく語ります。

①主要キャラクターが多い(10人以上)が、全員見事にキャラが立っている

同じチームに女装、ゲイ、オカマという日本では混同されがちな要素持ちがいるが、性質は少しも被っていない。特に女装男子・林は「見た目だけなら完全に女性だが、性格も声も挙動も、きわめて男臭い男」であり、今までにないオリジナリティを打ち出している。そしてヒロインの役割もこなせる驚異の万能キャラ。敵方の殺し屋も、お上の意向に逆らえず、人並みに近い良識で葛藤するなど、一筋縄ではいかない魅力がある。

 

②脚本が丁寧

連続ドラマのように怒涛の引きで期待をあおる。登場人物の視点が目まぐるしく替わる形式にもかかわらず「原作を読むor解説がないとセリフ/行動の意味がわからない」「伏線の描き方が浅い、唐突に感じる展開」が一度もない。文庫本4冊分を1クールにしているため、カットや改変も多いが、そのぶん物語がシンプルになり、テンポが良くなっている。伏線の回収をクライマックス直前で一気に行うので、解答編のカタルシスが半端ない。

また、セリフはアニメに最適化されたうえでさらなる進化を遂げており、キャラクターの魅力にブーストをかけている。(例:林のセリフは男臭さが3割増しに向上、1話冒頭で女を演じている時にもよく現れている。原作とは趣きの違うセリフ回しだが「彼らしさ」しかない。)

 

③ストーリー構成が見事

1クール12話=4+2+2+4話の合計4エピソードという構成で、最初と最後のシリアス長編にしっかり尺を割きつつ、軽快な中編を挟むことで、中だるみなく楽しめるようになっている。林の成長物語をメインに据え、バディとチームワーク(+野球)の物語としてまとめたことで話が明快化。捨て話が一話もなく、満足度も高い。また、原作4巻部分(7-8話)を前倒しし、情報屋・榎田の背景を掘り下げたことで「万能すぎるチートキャラ」を「チームメイトを陰で支える名助演」に格上げした功績は大きい。 

最終話ではメンバー全員がそれぞれの特徴を活かして大暴れし、名場面の連続と化している。原作付きアニメにありがちな「キリのいい終わり方」ではなく、「1クールの集大成!」という脚本を、アニメならではの演出で表現しきってみせた貴重な作品

 

④殺し屋たちのアクションが熱い

「ナイフファイト等の接近戦+異種格闘の真っ向勝負」という荒唐無稽な戦闘シーンを、かっこよく美しく魅せるセンスと作画力が爆発。個々人の武器の違いによる動きの個性にもばっちり対応。狭い室内、走行中の列車内、ビルの屋上などシチュエーションも様々で飽きさせない。暗殺シーンも静かな凄みがある。

また、シリーズ通して作画崩れした回が一度もない。むしろクール後半になるにつれ美しさが増していき、最終話こそが最高潮。さすがは制作:株式会社サテライト。もちろん野球シーンにも手抜かりなし。(※Blu-ray、DVD収録版はさらに、現実のプレイに即して修正までされている。)

 

⑤声優さんの声質と演技が天井知らず

知名度と実力がイコールの豪華声優陣で、声に違和感があるキャラクターは一人もいない。女装男子林憲明」役を誰が演じるかで、このアニメの命運が決まると言っても過言ではないほどの難役だが、彼の内面の男らしさを全開にしてみせたCV:梶裕貴さんの声質と演技は完璧の一言。女性的な見た目に惑わされず選出した、スタッフの英断にも拍手を贈りたい。

また、方言キャラの演者に求められるレベルが大変厳しかったそうで、回を増すごとに発話が上手くなっていくのが、県外の人間にもわかる。最終話では、ついに方言監修からNGが出なかったという伝説を打ちたてた、まさしくプロの偉業。

 

⑥音楽と世界観が完璧にマッチング

OP「ストレイ」(岸田教団&明星ロケット)は、アニソンらしく世界観とキャラクターの内面が反映された歌詞。ED「DIRTY BULLET」(TRI4TH)はインストゥメンタルジャズで、バージョン違いも含めて劇中のBGMとして何度も使用されるほど、アニメの世界に溶け込んでいる。劇判含めたほぼすべての楽曲に「ジャズ」という共通項があり、放送の30分を通して環のような繋がりを感じられる。

 

さて、ひたすら褒めちぎってまいりましたが、どんな作品にも少々の難点はあるもの。いくつか挙げますと「ハードボイルド/残虐性が、原作よりも少しマイルドになっているので、物足りない人もいるだろう件」「他の主要キャラクターの掘り下げをカットしているので、もったいない件」「林にもっとお着がえしてほしかった件(原作ではビジュアルはないが、頻繁に着替えている)」でしょうか。

(※メディアミックス時のお約束とも言えますから、贅沢な意見との自覚はあります。)

 

 

ウェブ配信があります

放送は終了しましたが、各種配信サイトで視聴(※一部無料)が可能です。なにせ積み上げの物語なので、一挙視聴だと面白さが倍々ゲームですよ。

 

 配信サイト一覧(※2019年4月26日現在、配信状況を確認できないサイトは除外済)

 

※博多は、よいところです。

さて…、ここまでなんのフォローもなく、まるで本当に博多が危険であるかのような体で話を進めてきましたが、この作品はフィクションです!現実の博多(福岡市)は良いところです!

聖地巡礼しに博多区をいろいろと回りましたが、素敵な街並み、本物の山笠の迫力(※櫛田神社境内、川端ぜんざい通り等で、過去の山笠が通年見られます)、道案内にも笑顔で対応してくれる親切で気さくな人々、豚骨ラーメン、明太子、もつ鍋(あまりに美味しくてリアルに震えた)、ゴマ鯖、餃子、うどん、博多通りもんなどご当地銘菓、などなど何でも美味しい食べ物など、プラスの魅力しかありませんでした。

美術館、博物館などの文化施設も魅力的かつ低価格で楽しめます。(市立美術館は通常料金200円。)地下鉄、バスといった交通網もバッチリで観光がはかどります、さすが政令指定都市

皆さんも是非行ってみてください。

 

 最後に個人的な好みを。

深夜アニメを見始めた2006年当時より「ガラの悪い、凶悪な戦闘力を持った美女」が好きです。BLACK LAGOON」のレヴィ、「キルラキル」の女性陣全員、「Fate/Apocrypha」のモードレッドなどなど。あざとさのかけらもない強い女性たちに憧れてやみません。

つまり、道理で林ちゃんに転ぶわけだ!(男の子だけど)いや、男の子で訓練を受けた殺し屋だからこそ、ピンチに陥っても、女の子ほど胸糞悪くならないという利点もあるわけで。あとCV:梶裕貴さんでなければ、ここまで大好きにならなかったとも思います。すっかりファンになってしまいました。

 全体的な話では、アウトローたちのチーム感、疑似家族感も素敵で、敵含めて嫌いなキャラクターが誰一人いないこと。全員がまともな死に方をしないだろう境遇を受け入れ、ぬるく楽しく生きているところも大好きです。

 キャラクター小説には、司書として常々挑戦せねば…と思っていたところに、上手い具合に転がり込んで来て、視野を広げてくれた作品なので、個人的にも恩義を感じております。ラノベを夢中で読んでいた10代の頃を思い出す作品でした。ぜひ多くの方に楽しんでほしいと思います。

 

これだけの長文(7300字以上!)を、最後まで読んでくださって、ありがとうございました。<(_ _)> 

 

※この文章は別ブログで公開中の↓をリライトしたものです。どちらも花楠が書いています。

 

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